アースダンボールのメルマガってさ

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2023年1月号 100年後も一緒に居てね■アースダンボールメルマガVOL150■

2023-Jan1-1


これ、覚えておくといいよ。

小さい子供がダンボール箱に顔の絵を描くと、

ごく稀にその箱は魂を宿しちゃったりするって事をね。

魂を宿されたからって何をする訳じゃないけどさ。


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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僕が初めて君に会ったのは、君が生まれた時だったね。

君が生まれたお祝いが沢山ダンボール箱で届いて、

僕はその中の一つだった。

"せっかくお祝いを頂いた箱だからとっておこうかしら"って、

君のママが僕を捨てずに押し入れに仕舞ってくれた。

そして3歳に成長した君はお絵描きがとっても好きになって、

どこでもお絵描きしちゃって大変で、遂に僕にも顔を描いて。

その時、僕に魂が宿ったんだ。

それから僕は、押し入れの扉を開ける君に会えるのが

とっても楽しみになったんだ。

君は、何かあると押し入れを開ける癖があったからね。

その度に会えるからね。


*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、今朝は早いね、お着換えかい?

もう一人でお着換えできるようなったんだ。偉いな~。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、今日はママと一緒にどうしたんだい?

夏の布団を仕舞って冬の布団を出すのか、

ふかふかのお布団で温かくして寝るんだぞ。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、今日は随分おめかししてるね。

小学校の入学式か~、楽しみだな~、

友達沢山出来るといいな~。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、そのユニフォームかっこいいね!

そうか、地元の少年野球チームに入ったのか!

将来は野球選手か?楽しみだな~!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

あれ、今日は寂しそうな顔してどうしたんだい?

そっか、友達とケンカしちゃったのか。

明日、ごめんねって言おうな。仲直りできるといいな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、今日はめっちゃ嬉しそうだな!

図工で描いた絵が賞を取ったって?すごいなあ~!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おいおい、そんなに泣いてどうしたんだい?

君のエラーでサヨナラ負けしちゃったって?

悔しいよな、いっぱい練習して今度は頑張ろうな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、その学生服、似合ってるじゃないか!

今日から中学生か、おめでとう!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おや?今日は赤い顔してどうしたんだい?

好きな子ができたって?やるな~おい!頑張れよ~!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、最近少し疲れ気味っぽいけど大丈夫か?

受験勉強大変なんだろ、あまり無理はするなよ。

なんてったって健康が一番大事なんだからな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おお!そのブレザー、かっこいいじゃないか!

いよいよ高校生か!野球部に入るんだろ、頑張れよ!!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、今日はなんかそわそわしてるな、って!!

その子は誰だい? え? 彼女ができたって!?

早速部屋に連れてくるなんてやるな~このこの~!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

そんなに泣いてどした?前にもこんな事あったな。

そっか、最後の夏の大会、負けちゃったか。

三年間、君は本当に頑張ったな。お疲れ様だ。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おい、そんなに怖い顔してどうした?

進路の事で親とケンカしたって?

頭冷やして、お互いにもう一度よく話し合えよな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、大学進学おめでとう!

遠くで一人暮らしするんだってな。しばらく会えないな。

たまには帰ってきて、この扉を開けてくれよな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、久しぶりに帰ったのに真っ黒な服着てどうしたんだい?

え?ママさんが亡くなったって?そっか、寂しくなるな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

やあ、大学卒業おめでとう!

こっちで就職するんだってな。また一緒に暮らせるな!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おろ、今日は彼女と二人してどうしたんだい?

え!?結婚が決まったって!?

そっかそっか~!おめでとう、おめでとう!!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

わあ、可愛い男の子だな~。

遂に君も父親になったのか、本当におめでとう。

亡くなったママさんにもお孫さん、抱かせてあげたかったね。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

ええ!いよいよ家を建てるって!?

やったな~、これから益々頑張らないとな~。

僕も新しい押し入れに引っ越しだな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おや、今日はまた随分落ち込んでるね。

進路の事で子供とケンカしたって?

そういえば君も同じ事あったよね。懐かしいな~

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

その黒い服、見覚えがある。誰か亡くなったのか?

そっか、パパさんが。君はご両親を看取る事が出来たんだな。

これは順番だもんな。今を精一杯生きような。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

ええ!子供が結婚して同時に孫もできたって!?

良かったな~これ以上ないほど幸せじゃないか~、

君もおじいちゃんになったんだな~

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おお、今日はまた晴れやかな顔だね。

定年退職して夢だったお店を開業するんだろ?

人生まだまだこれからだよな~!

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

うん、わかってるよ、長生きするってことは、

それだけ沢山の別れも経験するって事だろ。

長年連れ添った君の奥さんだもん。今日はいっぱい泣けよ。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

聞いたよ、お店、閉店するんだってな。

ここまで長く続けたんだ、誰も文句なんて言わないよ。

君は凄いよ、本当に凄いよ。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

おい、ひ孫が生まれたんだってな!

おめでとう!今日は沢山の人がお祝いに来てるんだな。

こんなに沢山の人に囲まれて、君は幸せだな。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*

そっか、入院するのか。

そう落ち込んだ顔するなよ、元気出してよ。

元気になって帰ってきて、またこの扉を開けてくれよ。

*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*


やあ、ってあれ?君は確か息子さん、だよね?

一体どうしたんだい?今日は僕をどこかに連れて行くの?

わあ!この押し入れから出るのなんていつ以来だろう?

引っ越しの時にこの押し入れに来てから出た事ないもんな。

それで今日はどこに連れて行ってくれるんだい?


んん?ここは・・・?


なんだかやけに人がいっぱい居るなあ。

しかもみんな同じ色、黒い服を着てる。

あ!居た居た。お~い久しぶり!君、こんなとこに居たのか。

しかも寝てるし、君だけ真っ白な服着てるし。

しかも木の箱の中で寝てるし、そこ窮屈じゃないか?

でもお花もいっぱいあってちょっと華やかだね。


・・・あれ、みんな泣いてる・・・


そういえばこの黒い服、前にも見たことある。


そっか、これ・・・お葬式・・・


君だけ白い服で木の箱の中でお花に囲まれて寝てて。


じゃあ、死んだのは君なの?


そっか、帰ってこないと思ったら死んじゃったのか。

そっか、そうだったのか・・・

もう君はあの家には帰ってこないのか。

もう君はあの押し入れの扉を開けないのか。


じゃあ君はどこに行っちゃうの?

僕はどうすればいいの?


君が生まれてからずっと一緒だったから、

君が居ない僕の人生は想像ができないんだ。

できれば君が行くところに一緒に行けないかな。


え?僕をこの木の箱に一緒に入れてくれるの?


だから僕をここに連れてきてくれたんだね。

よかった、これからもずっと君と一緒に居ていいんだね。


ねえ、僕は本当に幸せだよ。

一番最初に一回だけ物を運んで、

その後はずっと押し入れに居て、

扉を開けた君に会うのだけが楽しみだったけど、

段ボール箱らしい事は殆んどできなかったけど、

段ボール箱に生まれて来てさ。

あの日君が僕に魂をくれてさ。


FIN


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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    【編集後記】


1856年、イギリスで現在のダンボールの原型が誕生。

1909年、井上貞治郎が日本のダンボール産業の基礎を築く。

戦後、木箱がダンボール箱に移り変わり始める。

なのでダンボールが箱として流通しだしてから、

まだ100年も経っていません。

なので100歳くらいまで生きた人の人生の、

その全てに寄り添ったダンボール箱はまだありません。

もし貴方の近くに、貴方が生まれた時からずっとある、

そんなダンボール箱が"居たら"、ちょっと大事にしてみませんか?

あの歌の、あるおじいさんの人生に寄り添った時計みたいに。


最後までお読み下さりありがとうございました。

m(__;)m

ライティング兼編集長:メリーゴーランド

2022年12月号-2 つなぎ人、つなぎ箱■アースダンボールメルマガVOL149■

2022-Dec2-1



『この写真のおばあちゃん激ヤバじゃん!』

高校生の孫の咲(さき)が10年前の古いバイク雑誌を持ってきた。

『まだまだ現役!還暦女性ライダー特集!だって。マジ凄い!

 ねえ、おばあちゃんもうバイク乗らないの?』

『う~ん、乗ろうと思えば乗れるけどねえ』

『あ、写真のばあちゃんが持ってる"九州名産"ってダンボール箱、

 おばあちゃんの部屋にあるダンボール箱だよねえ』

『ああ、この箱はね、私が妹にあげた箱なんだよ』

『おばあちゃん、妹なんていたっけ・・・?』

『うん、私と同じ、彼女もライダーだったのよ』


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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あれは私が28歳の頃。まだ携帯もスマホも無い時代。

私は念願の北海道ツーリングへ向かうフェリーに乗船していた。

バイクをフェリー内の駐輪場に固定していると、隣に女性ライダーが来た。

私はマジマジと彼女を見つめてしまい。目が合った。すると彼女は、


『わあ~!女性ライダーさんだ!私だけかと思った~!!

 私、ミチっていいます。宜しくです~』

『私はミチコ、です、よ、宜しく』

『わ~!ミチとミチコ、名前近い~!ほぼ同じ~!』


彼女はまだ19歳で、私より10歳近くも若かったが、

人懐っこくとてもいい子で私達はすぐに仲良くなった。

私は彼女を"ミチ"と呼び、ミチは私を"ミチねえ"と呼んだ。


『ミチねえ、旅は道連れ、一緒に北海道を周ろうよ』

『うん、いいね!一緒に周ろう』


共に初めての北海道を私達は一緒に周った。

まだ未成年のミチは毎晩電話で親に定期連絡を入れているようだった。


『ミチは毎晩、親にちゃんと連絡入れて偉いね』

『へへへ、一応未成年だからね』

『でも19歳で北海道ツーリングなんてミチは凄いなあ』

『人生は短いんです!やりたい事はすぐにやらなきゃ!』

『短いって、19のあんたが言うかね~』


その時、ほんの少しミチの表情が曇った気がした。


『ミチ、どうかした?』

『ううん、何でも、ちょっと疲れちゃった、もう寝るね』

『うん、明日もロングランだからね、お休み』


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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私達は北海道周遊後もしょっちゅう一緒にツーリングに出かけた。

一人っ子だった私は本当に妹ができたようで嬉しかった。

長女のミチには弟がいたが、姉ができて嬉しいと言ってくれた。


『もしミチねえに彼氏ができても私と一緒に遊んでくれる?』

『はあ?彼氏?当たり前じゃない。絶対にミチ優先~』

『そっか、良かった・・・なんてね』

『それよりミチはどうなの?彼氏とか作らないの?』

『今は、いなくいていいかな。まあいずれ恋はしてみたい、けど』

『恋なんてあんたはこれからいくらでもできるよ、うんうん』

『そうだね。もし好きな人ができたら真っ先にミチねえに言うよ』


また、ミチの表情が少し曇った気がした。

___________


ミチと知り合って1年ほど経った頃、ミチは体調をちょこちょこ崩し、

時々ツーリングをキャンセルする事が何度か続いた。


『ミチ、ちゃんと病院には行ってるの?』

『うん、ちゃんと行ってるよ、心配かけてごめんね』


でもしばらくするとミチはすっかり回復し、私はほっとしていた。

ほっとした勢いで私達は九州ツーリングのビッグプランを計画した。


『ミチ、九州ツーリング、楽しみだね!!体調良くしとけよ!』

『はい、ばっちり備えます!!えへへ~』


しかし出発の3日前、再びミチの体調が悪化した。


『ごめん、ミチねえ、しくじった~』

『いいって、また今度にしよう。今回は中止で、』

『そ、それはだめ!ミチねえ、一人で行ってきてよ』

『え~、ミチが居ないとつまんないよ~』

『ミチねえだって最初はソロだったじゃん、ね、お願い』

『お願いって、お願いされるような事でもない気が』

『そ、そうだ、お土産!あっちからお土産送ってよ!』

『それは、いいけど。わかった、久しぶりにソロで行くか』


8日間の九州周遊。ミチのいないツーリングはどこか味気なく、

"お願い" と言ったミチの顔が頭から離れなくてモヤモヤしていた。

それでも旅を進め、日程の真ん中くらいでミチへのお土産を買った。

ミチに沢山送りたくて沢山買って、ダンボールで送る事にした。

その夜、途中報告がてらミチの家に電話を入れるとミチのお母さんが出た。


『あら、ミチコさん、今九州なんでしょ、楽しんでる?』

『はい、楽しんでます!ミチは居ますか?』

『ごめんなさいね、ミチ、ちょっと入院しちゃって』

『入院!?』

『うん、たいした事は無いのよ、念の為って感じで』

『そう、、ですか』

『心配しないでね。ミチには電話があった事伝えるわね』


私の胸はざわめいた。また "お願い" というミチの顔が頭に浮かんだ。

_________


その日以来、旅先から毎日ミチの家に電話を入れた。

ミチのお母さんはいつも『大丈夫よ』と言ってくれたが、

誰も電話に出ない日もあって私の胸は余計にざわめいた。

そして旅を終えた次の週末、私はミチの入院する病院へ向かった。

気持ちが体のずっと先を急ぎ、歩く速度もどんどん早くなった。


201号室、202号室、、、、あった、206号室!!

私はノックも忘れて乱暴に病室のドアを開けた。


『ミチ!!ミチ!!』


2022-Dec2-2



『あ、あれ、部屋・・・まちが・・・』

私は通りかかった看護婦さんに言い寄った。

『あの、206号室の鮎川美智さんは!?』

『え、、、あの、お見舞いの方ですか?』

『はい、友人の柳原道子と申します。鮎川美智さんのお見舞いに』

『鮎川さんは、4日前にお亡くなりになりましたよ』


『・・・・・・・・え?』

_________


ミチが・・・し・・・うそ、だよね。

私は涙も声も出ず、受け入れる事もできす、待合室でただ茫然としていた。

1時間か、2時間か、何時間くらい経った頃だったろうか。


『道子さん、道子さんよね』

『おばさ、、ミチのおばさん、、、』

『会えて良かった。ごめんなさい道子さん、今まで黙ってて』

『おばさん、だって、大丈夫って、いつも言って、、、』

『美智が、貴方にはどうしても言わないでって』

『私、何にも知らないで、ツーリングなんか行って、、』

『それが、美智が望んでた事なの・・・』

『わ、わかんないよ、おばさん、どうして、なんで!』

『あの子、生まれつきの持病があってね、

 長くは生きられないかもしれないって、言われててね。

 それでも頑張ってここまで生きて、やりたいこと見つけて、

 あなたという姉ができて、この一年は本当に楽しそうだった』

『知らなかった、ミチが、そんな・・・』


ミチのどこか生き急ぐような生き様も、時々不意に見せる曇った表情も、

全ては、こんなとこにつながってたのか。私、何にも知らないで・・・


『それからね、これなんだけど、、、』


おばさんが持っていたダンボール箱を私に差し出した。


『この箱・・・』

『うん、先日、あなたが九州から送ってくれた箱。

 あの子、本当に嬉しそうに病室でこの箱を触ってずっと眺めていたわ。

 元気になって自分もソロでどこかへ行ったら、

 ミチねえにもっと大きな箱でお土産送りつけてやるって。

 でも、箱が届いた次の日に容体が急変してしまったの』

『・・・・・』

『ねえ、道子さん、箱、開けてみてくれない?』

『はい・・・。あ、これ、ミチのヘルメットとグローブ・・・』

『このメットとグローブと箱と、あなたに貰って欲しいの』

『私に、、、ですか?』

『うん、あの子も喜ぶわ。 あの子ね、いつも言ってたの。

 ミチねえとの時間が楽しい、ミチねえにはいつまでも走り続けてほしい、

 私が居なくなった後も、私の分も、って』

『ミチ・・・ミチ・・・』


箱が私の両手を介してミチの最後の想いを伝えてくれてる気がした。

そっか、こんなとこで終わりじゃないんだ。

ここじゃなくて、この先の、もっとずっと先まで、

あんたがこの世に生きた証を、ここからは私がつなぐ。

だからミチ、私はあんたの死を受け入れる。

受け入れるから、だから今だけ、少し泣かせて・・・

あ、やっぱ少しなんて無理・・・無理・・・ムリだ・・・

おばさんは私が泣き止むまでずっとそばにいてくれた。


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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『そ、、、っか。そんな事、あったんだ』

『あの時、バイクをやめないで良かったと思うわ』

『おばあちゃん、私もバイクの免許とる!!』

『じゃあお父さんとお母さんに許可をもらわないとね』

『そんでおばあちゃんとツーリング行く!!』

『それは楽しいみだ、じゃあ私もまた少し慣らしておこうかねえ』

『絶対!絶対だよ!おばあちゃん!! あ、そうだ、』

『なんだい?』

『その箱とメットとグローブ、私に一晩貸して』

『いいけど、どうするの?』

『ミチさんとお話して許可を貰うの。私もその証をつなぎたいから』


FIN



(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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    【編集後記】


もし彼女達にスマホが有ったら、

二人の関係性は少し変わっていたかもしれません。

電話も無い時代、もっと遡れば交通手段も原始的な時代、

ほんの少しの言葉やを伝えるだけでも大変な時間と労力が必要でした。

でもだからこその良さって、あったと思うんです。

同じようにいつか、ダンボール箱なんて不便な物を使ってた、

という時代が来た時に、ダンボール箱もなんか良かったよね、

と言って貰えたら、今ダンボール箱のある時代に生きる者として、

嬉しいですかね。


最後までお読み下さりありがとうございました。

m(__;)m

ライティング兼編集長:メリーゴーランド

2022年12月号 オッド・アイ ~違う色の目がくれたもの~■アースダンボールメルマガVOL148■

2022-Dec1-1


(´o`*)『遂に行くのね、日本に』

( ´v `)『うん、行くよ、日本へ』

(´o`*)『その人に会えるといいね』

( ´v `)『うん、絶対会って伝えるんだ』

(´o`*)『10年越しの告白、悔いの残らないようにね』

( ´v `)『うん、その為に色々頑張って来たから』


だってあの人は私の目を、

真っすぐ私を見てこの目を初めて好きと言ってくれた人だから。

私の、オッドアイを。


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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(´o`*)『ねえ、旅立ちの前にもう一回だけ聞かせてよ』

( ´v `)『ええ~、もう10回は話してるよ、めんどい~』

(´o`*)『何回でも聞きたいのよ、あんたとその人の出会い』

( ´v `)『しょうがないな~、じゃあもう一回だけね』


私はエミリア、オーストラリア人、二十歳の女子大学生。

私の目はオッドアイ、虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)。

左右の目の色が違う事で猫によくみられる。

人間にも1万人に1人の割合で存在するらしいのだけど、

私はこの目が他人から気味悪がられると思い込んでいた。

小さい頃から父の仕事で世界中を転々としていていたけど、

どこに行ってもいつもうつむき加減で人と関わる事ができなくて、

更にどこの国でも短期滞在の私には、友達が一人も居なかった。

そんな私を一ヶ月だけ滞在した日本で、あの人が変えてくれた。


私が日本に滞在したのは10歳の秋頃の一ヶ月間だった。

来日して学校にも通い始めたけど、いつも通りなじめずにいた。

転校して一週間ほど過ぎた日曜日、私は一人で公園のベンチに座り、

砂場で遊ぶ小さな子達をボーっと眺めていた。

子供達は砂場にダンボール箱を持ち込んでペンで絵を描いたりしていた。

とても楽しそうだった。

すると、その中の一番大きな男の子が私に声をかけてきた。

________

(´-`).。oO


(*゚ー゚)『お前、転校生だよな、エミリアだっけ?』


日本語ができなかった私は自分の名前しか聞き取れなかった。


(*゚ー゚)『、、って、何言ってるかわかんねえか』


私は目を合わせられなくてチラっとだけ彼を見た。

(´・v・`)『(あ、確かこの子、同じクラスの子だ・・・)』

私はうつむいたままボソっと小声で返した。


(´・v・`)『Are you in the same class?(同じクラスの人?)』

(*゚ー゚)『あ、あーゆー、なんだって?俺もわかんねえや』


彼は頭を掻きながら笑った。それから私と自分を交互に指差し、


(*゚ー゚)『お前と俺、同じ学校、クラス、クラス、同じ!!』


"クラス"しか聞き取れなかったけど何となく理解できた。

それから次に、彼は小さな子達と自分を交互に指差し、


(*゚ー゚)『あいつら俺の弟、妹、兄弟、ええとファミリー!!』


今度は"ファミリー"が聞き取れた。


(´・v・`)『Oh, your family,brothers and sisters.(あなたの家族、弟と妹達ね)』

(*゚ー゚)『何て言ってるかわかんねえけど通じたかな、へへ』


彼も嬉しそうに笑ってくれた。


(*゚ー゚)『そうそうファミリー、スパイファミリーじゃねえぞ』

(´・v・`)『What? Did you just say 'spy'?(なに?スパイ?)』

(*゚ー゚)『ああ、わりい、今の無し、ジョーダン、ジョークジョーク』

(´・v・`)("ジョーク?" I'm kidding って事?)私はクスっと笑った。


(´・v・`)『(この人、私の目を気味悪がらない、のかな?)』


彼は一生懸命に私とコミュニケーションしようとしてくれて、

私も自然とそうしようとしていた。嬉しかった。でも、


(´・v・`)『(でもうやっぱり、この人もどうせそのうち私の事・・・)』


そんな気持ちが不意によぎって私はまたうつむいた。

すると彼は"ひるむ"事無く私の隣に座ってこう言った。


(*゚ー゚)『お前のその、め、目さ・・・』

(´・v・`)『(??・・・・??)』

(*゚ー゚)『あ~、ダメだ、絶対伝わんね。目って英語でなんてんだ?』

(´・v・`)『(??・・・・??)』

(*゚ー゚)『ちょっと待ってて』

彼は両掌を斜め下に向けて縦に軽く振るジェスチャーをした。

(´・v・`)『(待ってろ、って事?)』


すると彼は兄弟達が遊んでるダンボール箱と黒ペンを持ってきた。


(*゚ー゚)『これダンボール箱、わかる?』

(´・v・`)『Cardboard box, right?(ダンボール箱でしょ?)』

(*゚ー゚)『か、かーぼーぼー?何それ、まあいいや』


すると彼は箱の蓋に黒ペンで絵を描き始めた。

(´・v・`)『(ピンと立った耳、左右にひげ、動物?猫かしら?)』


(´・v・`)『Cat?(猫?)』

(*゚ー゚)『そうそう!キャットキャット!イエース!!』

(´・v・`)『Is this cat your family too?(この猫もあなたの家族?)』

(*゚ー゚)『ファミリー?イエース!この猫もファミリー!』


(´・v・`)(なんで自分んちの猫の絵なんて描いたのかしら?)


(*゚ー゚)『あ~、黒いペンしかねえな、どうすっか?あ、そうだ!』


彼が何か閃いたっぽい感じだった。

すると彼は絵の猫の右目と青空を交互に指さしてこう言った。


(*゚ー゚)『目の色と空の色、同じ、青、あお!』

(´・v・`)『Blue eyes?(青い目?)』

(*゚ー゚)『イエース、ブルー!青!ブルーね、ぶるー!』

(´・v・`)『So cute, blue-eyed cat(かわいいね、青い目の猫)』


すると今度は猫の左目とこげ茶色の木の葉を交互に指さした。


(*゚ー゚)『こっちの目、これと同じ色、こげ茶、コゲチャ!』

(´・v・`)『Is left eye dark brown?(左目はこげ茶なの?)』


伝わったかどうかはわからなかったけど、

彼は自信ありげにウンウンと頷いていた。きっと伝わったんだ。


(´・v・`)『(猫はオッドアイって事を伝えたかったのね。でもどうして?)』


すると次に彼は猫の目と、私の目を交互に、少し遠慮がちに指さした。


(*゚ー゚)『うちの猫とお前の目、同じ』


間違えなくそう言ってると理解できた。彼は続けた。


(*゚ー゚)『俺、この目が好きなんだ。珍しいし、可愛いし、綺麗だし』


そう言うと少し間を置いてから私の目を見てこう言ったの。


(*゚ー゚)『だからお前の目も、キレイで好きだ』


(´-`).。oO
__________


(´o`*)『その日から他のクラスメイトとも仲良くなれたと』

( ´v `)『ウン♪』

(´o`*)『残りの滞在期間の3週間が本当に楽しかったと』

( ´v `)『ウンウン♪』

(´o`*)『それ以降に訪れた国で世界中にお友達が沢山できたと』

( ´v `)『ウンウンウン♪』

(´o`*)『その時の絵を切って貰って今も大事にお守りにしてると』

( ´v `)『ウンウンウンウン♪』

(´o`*)『その日から一日としてその人を忘れた日はないと』

( ´v `)『ウンウンウンウンウン♪』

(´o`*)『本当に好きなのね、その人の事』

( ´v `)『・・・・・・、ウン』

(´o`*)『あんた話すのめんど~とか言って結局ノリノリね』

( ´v `)『でへへ~なんだかんだでね~』

(´o`*)『ところで一つ聞いていい?』

( ´v `)『なに?』

(´o`*)『日本の子供ってダンボールで遊べるの?』

( ´v `)『私もそこはちょっと不思議だったんだよ』

(´o`*)『オーストラリアってダンボールめっちゃ高いじゃん』

( ´v `)『買うと高いからダメになるまでバンバン使いまわすもんね』

(´o`*)『砂場で子供のおもちゃとか落書きとかんあまり無いもんね』

( ´v `)『うん、だから日本がダンボール流通してる国で良かったよ』

(´o`*)『そうだね、そうじゃなかったら今のあんた無かったかもね』

( ´v `)『だね・・・』

(´o`*)『もう一個いい?猫の絵をその人がちぎってくれたの?』

( ´v `)『私が欲しいって頼んだの』

(´o`*)『どうやって?』

( ´v `)『猫の周りに指で円を書いて2本指でチョキチョキのマネした』

(´o`*)『なるほど~』

( ´v `)『ちゃんと通じて良かったよ』

(´o`*)『ごめん・・・もう一個だけ聞いてもいい?』

( ´v `)『なに?』

(´o`*)『もしもよ、もしもその人に、か、彼女とか居たら?』

( ´v `)『・・・・それでもいいの、それはしょうがないよ』

(´o`*)『でも・・・』

( ´v `)『今の私は君のおかげだよって、それをちゃんと伝えたい』

(´o`*)『・・・本気なのね、好きも、覚悟も』

( ´v `)『うん、今の私に迷いはないよ』

(´o`*)『出発前にあんたの決意を聞けて良かったわ』

( ´v `)『明日、本当に空港まで見送りに来てくれるの?』

(´o`*)『あんたの親友だもん。ちゃんと送り出してあげる』

( ´v `)『ありがとう。じゃあ明日、空港で』

(´o`*)『うん、じゃあ明日。・・・そうだ、ねえ!!』

( ´v `)『ん?なに?』

(´o`*)『私だって大好きなんだよ。あんたのオッドアイ』

( ´v `)『・・・ウン♪・・・』


FIN


(日本に来たエミリアは・・・!?それは編集後記で↓↓)


(´o`)п(´o`*)п(´o`*)п
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    【編集後記】



( ´v `)『久しぶりだね、雷太(らいた)くん』

(`・д・´)『お前、エミリアか・・・なんでここに!?』

( ´v `)『君に会いに来たんだよ』

(`・д・´)『俺に?それと日本語・・・』

( ´v `)『勉強したんだよ。君と沢山お話ししたくて』

(`・д・´)『そっか、偶然だな・・・』

( ´v `)『偶然?』

(`・д・´)『俺も英語勉強した、オーストラリアに行こうと、けど』

( ´v `)『けど?』

(`・д・´)『けどもういいや、用事済んだ、かも』

( ´v `)『済んじゃったの?どんな用事だったの?』

(`・д・´)『お前と、エミリアと同じ、かもしんない』

( ´v `)『そっか・・・じゃあ、答え合わせしよっか』

(`・д・´)『答え合わせ?いいね、やるか』

( ´v `)『ねえ、答え、同じかな』

(`・д・´)『お前は、どう思うんだ?』

( ´v `)『わかんない、けど、同じだったらお願いがある』

(`・д・´)『お願い、なんだ?』

( ´v `)『またあの公園の砂場で、ダンボールで一緒に遊ぼう』

(`・д・´)『そうか、偶然だな。俺も同じ事考えてた』



最後までお読み下さりありがとうございました。

m(__;)m

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